この面でわかること

全国出版協会・出版科学研究所は、2026年7月24日に『季刊 出版指標』2026年夏号で、2026年上半期(1〜6月)の出版市場の推定販売金額を発表しました(新文化、2026年7月掲載による)。この面では、その数字のうち漫画に関わる部分、つまり電子コミックと、紙の雑誌・書籍の動きを表にまとめ、漫画ランキングを見る時にどう受け止めればよいかを書きます。

数字はすべて出版科学研究所が公表した推定値を、報道が伝えたものです。研究所の資料そのものではなく報道(新文化)から取っているため、細かな定義は原資料で確認してください。

上半期の数字を一覧にする

新文化(2026年7月掲載)が伝えた2026年上半期の推定販売金額は、次のとおりです。

区分金額前年同期比
紙と電子の合計7664億円1.3%減
紙の出版物4797億円3.1%減
 紙の書籍3047億円2.7%減
 紙の雑誌1751億円3.8%減
電子出版物2867億円2.0%増
 電子コミック2593億円2.5%増
 電子書籍(文字もの)233億円2.1%減
 電子雑誌41億円4.7%減

紙の雑誌の内訳として、月刊誌(ムックとコミックスを含む)が1517億円で2.8%減、週刊誌が234億円で10.2%減と報じられています。紙のコミックス単体やコミック誌の金額は、確かめた記事には出ていませんでした。

数字から読めること

電子の中ではコミックがほとんどを占める

電子出版物2867億円のうち、電子コミックは2593億円です。割り算をすると約90%で、電子の文字ものや電子雑誌は残りの1割ほどにとどまります。出版市場全体(7664億円)で見ても、電子コミックだけで約34%を占める計算です。これは編集部の計算で、研究所の発表した比率ではありません。

伸びているのは電子コミックだけ

表のうち前年同期より増えたのは電子出版物と電子コミックだけで、紙の書籍・紙の雑誌・電子書籍・電子雑誌はいずれも減っています。電子コミックの増え方は2.5%で、全体の減少を完全に打ち消すほどではなく、合計は1.3%減でした。

週刊誌の10.2%減は目立つ

紙の雑誌の中でも週刊誌は10.2%減と、他の区分より落ち込みが大きく報じられています。ただし、その理由を述べた発言は確かめた記事にありませんでした。理由を断定することはできないので、ここでは数字だけを書きます。

前年同期の金額を逆算するとどうなるか

発表は前年同期比なので、前年の上半期に電子コミックがいくらだったかは、今年の金額を(1+増減率)で割ると概算できます。2593億円を1.025で割ると約2530億円です。つまり電子コミックは半年で約60億円増えた計算になります。同じ方法で紙の出版物は約4950億円から4797億円へ、約150億円減った計算です。いずれも四捨五入した概算で、公式の前年の確定値ではありません。

電子コミックの増加額(約60億円)より紙の減少額(約150億円)のほうが大きいため、合計が減るという構図になっています。これは数字の引き算から言えることで、読者の行動が紙から電子へ移ったかどうかまでは、この数字だけでは言えません。

漫画ランキングを見る時にどう使うか

ranklabo.jp のランキングは、DMMブックスの一般コミックについて公開されているレビュー数や評価を整理した参考情報で、販売数にもとづく順位ではありません。市場の数字は金額の合計であり、個々の作品の人気を示すものでもありません。両者は別の物差しです。

よくある質問

この数字は日本の漫画の売れ行きそのものですか?

いいえ。出版市場全体の推定販売金額のうち、電子コミックの区分が漫画の電子版にあたります。紙の漫画は、紙の書籍や雑誌の中に含まれていて、確かめた記事では分けて示されていません。

次の発表はいつですか?

この面では、次の発表日を確かめていません。出版科学研究所の公式サイトで確認してください。

価格や配信状況はここでわかりますか?

わかりません。作品の価格・配信状況・試し読みの可否は変わるため、DMMブックスなど各書店の公式ページで確認してください。

この面で確かめていないこと

出典(2026年11月7日に確認)

この面はちんあなご編集部が、上記の公式発表・報道から事実だけを取り出し、自分の文でまとめたものです。